【卒FITとは】売電単価が下がる前に読む完全ガイド

太陽光発電を設置して10年前後が経つと、「売電単価が急に下がるらしい」「電力会社から案内が来たけど何をすればいい?」と不安になる方が増えます。
そのタイミングでよく出てくる言葉が「卒FIT」です。
卒FITとは、国が定めた固定価格での買取(FIT制度)が期間満了を迎え、これまでの条件で売電できなくなる状態を指します。
本記事は、家庭用太陽光(主に10kW未満)を設置していて、これから卒FITを迎える方・すでに迎えた方に向けて、仕組みの基本から、売電継続・自家消費・蓄電池・EV活用・契約見直しまで、損をしにくい判断軸をわかりやすく整理します。

Contents

卒FITとは?期間満了で何が変わるのかをわかりやすく解説(太陽光発電・FIT制度の終了)

卒FITとは、太陽光発電など再生可能エネルギーの「固定価格買取制度(FIT)」の買取期間が満了し、国が保証していた固定単価での売電が終了することです。
家庭用太陽光(10kW未満)の多くは買取期間が10年間のため、設置から10年を迎えると順次「卒FIT」になります。
卒FITになると、売電自体が禁止されるわけではありません。
ただし、これまでのような高い単価での買取は終わり、電力会社や新電力が提示する「卒FIT向け買取プラン」へ切り替える必要が出てきます。
結果として、売電収入が大きく減る一方、電気代(買う電気)は上がりやすい傾向があるため、「余剰電力をどう使うか」が家計に直結する重要テーマになります。

卒FITの意味:再生可能エネルギーの固定価格買取制度(固定価格買取制度)と「買取・売電」の関係

FIT制度は、再生可能エネルギーを普及させるために、電力会社が一定期間、国が定めた価格で電気を買い取る仕組みです。
太陽光発電の家庭では、発電した電気をまず自宅で使い、余った分(余剰電力)を電力会社へ売るのが一般的です。
この「余剰を売る」行為が売電で、FIT期間中は単価が固定されているため、収入の見通しが立てやすいのが特徴でした。
一方で卒FITは、その固定単価の“保証期間”が終わる状態を指します。
つまり卒FIT後は、売電の単価・条件が市場や事業者の方針に左右されやすくなり、同じ発電量でも収入が大きく変わる可能性が出てきます。
ここを理解すると、「売電を続けるべきか」「自家消費に寄せるべきか」の判断がしやすくなります。

いつ卒FITになる?適用期間・満了(期間満了)時期の確認方法(契約・電力会社)

卒FITの時期は「太陽光の運転開始日(連系開始日)」と「FITの買取期間」で決まります。
家庭用(10kW未満)の多くは10年、事業用(10kW以上)は原則20年が目安です。
ただし、契約形態や認定年度、設備区分で細部が異なるため、自己判断よりも書類での確認が確実です。
確認方法としては、電力会社から届く「買取期間満了のお知らせ」や、売電明細(検針票・Web明細)に記載の契約情報、接続契約書類などをチェックします。
また、パワコン交換などをしても、原則としてFITの満了時期が延びるわけではありません。
満了の数か月前から切替手続きが必要になることが多いので、案内が来たら放置せず、早めに次の売電先や方針を決めるのが安全です。

なぜ問題になる?買取価格・売電単価の下落と日本の市場動向(再生可能エネルギー/CO2)

卒FITが問題になりやすい最大の理由は、売電単価がFIT期間中より大きく下がることです。
FIT開始当初は高単価での買取が設定されていましたが、太陽光の普及と設備コスト低下により、制度全体として買取価格は年々下がってきました。
卒FIT後は国の固定単価がなくなるため、買取価格は各社の提示水準(多くは数円〜十数円/kWh程度のレンジ)になり、売電収入が目減りしやすくなります。
一方で、電気料金は燃料価格や制度負担、需給の影響を受けて変動し、家計の負担が増える局面もあります。
そのため「安く売るより高い電気代を減らす」発想、つまり自家消費の価値が相対的に上がります。
再エネ拡大やCO2削減の流れの中で、家庭が“発電した電気を賢く使う”ことが、経済面でも環境面でも重要になっています。

卒FIT後はどうする?家庭の余剰電力の使い道と3つの選択肢(自家消費・売電継続・切り替え)

卒FIT後の基本戦略は大きく3つです。
①売電を継続して現金化する、②自家消費を増やして電気代を下げる、③蓄電池などで貯めて使う、のいずれか(または組み合わせ)になります。
どれが正解かは、在宅時間、家族構成、電気の使い方、オール電化かどうか、そして地域の電気料金・買取単価で変わります。
重要なのは「卒FIT=損」と決めつけず、売電単価が下がった後の“最適化”に切り替えることです。
例えば、日中に在宅が多い家庭は自家消費の伸びしろが大きく、逆に日中不在が多い家庭は蓄電池や売電継続が現実的になることがあります。
まずは自宅の発電量と余剰量、買電単価を把握し、3つの選択肢を比較して決めるのが失敗しにくい進め方です。

  • 売電を継続:手間は少なめだが単価は下がりやすい
  • 自家消費へ切替:電気代削減効果が出やすいが生活の工夫が必要
  • 蓄電池導入:自家消費と停電対策に強いが初期費用が大きい

選択肢①:売電を継続する(卒FIT後の買取・プラン・料金の考え方)

売電継続は、卒FIT後も余剰電力を電力会社や新電力に買い取ってもらう方法です。
メリットは、生活スタイルを大きく変えずに済み、手続きも比較的シンプルな点です。
一方で、卒FIT向けの買取単価はFIT期間中より低くなるのが一般的で、売電収入は減少します。
そのため、売電先を選ぶ際は「単価」だけでなく、契約期間の縛り、解約条件、支払いサイクル、手続きの分かりやすさも確認が必要です。
また、売電契約と買電契約(電気を買う契約)が別会社でも問題ないケースが多く、組み合わせ最適化が可能です。
売電単価が少し高くても、買電単価が高いプランだとトータルで損をすることもあるため、家全体の収支で判断するのがポイントです。

選択肢②:自家消費へ切り替え(昼間の電気・消費を増やして電気代を削減)

自家消費は、発電した電気をできるだけ家庭内で使い、電力会社から買う電気を減らす考え方です。
卒FIT後は売電単価が下がりやすい一方、買電単価は相対的に高くなりやすいため、「売るより使う」ほうが経済合理性が出る場面が増えます。
具体的には、洗濯乾燥機・食洗機・掃除機・調理家電などを日中に回す、在宅ワークの時間帯に合わせて空調を調整するなど、使う時間を太陽光の発電時間に寄せます。
ただし、無理に電気を使うと本末転倒なので、生活の快適性を落とさずに“時間をずらす”のがコツです。
オール電化の場合は給湯(エコキュート)との相性が良く、設定次第で自家消費率を大きく上げられます。
まずは「昼間にどれだけ使えるか」を見える化し、できる範囲から始めるのが現実的です。

選択肢③:蓄電池・蓄電システムで余剰電力を活用(停電対策にも)

蓄電池は、昼間に余った太陽光を貯めて夜に使えるようにする設備で、卒FIT後の代表的な選択肢です。
自家消費率を高められるため、買電を減らしやすく、電気料金の上昇リスクにも備えられます。
さらに、停電時に一定の電力を確保できる点は、災害対策としての価値が高いです。
一方で、導入費用が大きく、設置スペースや分電盤周りの工事条件、保証内容など確認事項が多いのも事実です。
また、蓄電池は「容量が大きいほど良い」とは限らず、家庭の夜間使用量や余剰量に合わないと投資回収が難しくなります。
導入を検討するなら、発電量・余剰量・電気料金単価・停電時に必要な負荷(冷蔵庫、照明、通信など)を整理し、目的に合うシステムを選ぶことが重要です。

卒FIT買取価格ランキング:電力会社の買取価格を比較しておすすめを選ぶ(エリア・地域別)

卒FIT後に売電を続けるなら、買取価格の比較は避けて通れません。
ただし「ランキング=常に最適」とは限らず、エリア(送配電エリア)や契約条件、手続きのしやすさで実質的なお得度が変わります。
また、買取単価は改定されることがあり、キャンペーンで一時的に高く見える場合もあります。
比較の際は、単価だけでなく、契約期間の縛り、解約金、支払い方法、検針・計量の条件、買取対象(余剰のみ/全量不可など)をセットで確認しましょう。
ここでは「ランキングを見るときのチェック項目」と「エリア差が出る理由」「新電力の注意点」を整理し、読者が自分で安全に比較できる状態を目指します。
なお、実際の単価は時期・会社で変動するため、最終判断は必ず公式の最新条件で確認してください。

ランキングの見方:kWh単価・金額・条件(対象/申請/手続き)をチェック

卒FIT買取の比較で最初に見るのはkWh単価ですが、それだけで決めると失敗しがちです。
なぜなら、同じ単価でも「振込手数料」「最低支払額」「支払い頻度(毎月/年1回など)」「ポイント還元」などで実質の受取額が変わるからです。
また、申請手続きの負担も重要です。
切替時に必要な書類(本人確認、設備情報、検針情報など)や、スマートメーターの有無、手続き完了までの期間によっては、買取開始が遅れることもあります。
さらに、買取対象が「余剰電力のみ」なのか、蓄電池併設時の扱い、出力制御時の精算ルールなど、細かな条件差もあります。
ランキングは入口として活用しつつ、最終的には“自宅の条件で受け取れる金額”に落とし込んで比較するのがコツです。

  • kWh単価(税抜/税込、改定頻度)
  • 契約期間・解約条件(違約金の有無)
  • 支払い頻度(毎月/四半期/年1回)と手数料
  • 申請に必要な情報(検針票、設備IDなど)
  • ポイント還元やセット割の適用条件

関西電力・北陸など地域(エリア)で違う?買取価格とプランの違い

卒FITの買取価格は、全国一律ではなく、送配電エリアや事業者の調達方針によって差が出ます。
例えば、関西電力エリア・北陸エリアなど、地域ごとに電力需要の特性や再エネ比率、競争環境が異なるため、同じ会社名でもエリアで条件が変わることがあります。
また、地域の大手電力(旧一般電気事業者)は、卒FIT向けに標準的な買取メニューを用意していることが多く、手続きの安心感がある一方、単価は突出して高いとは限りません。
一方で新電力や再エネ事業者は、エリア限定で高単価を提示することがありますが、条件(買電セット必須、ポイント付与、期間限定など)が付く場合があります。
したがって、比較は「自宅のエリアで契約できる候補」に絞り、同じ土俵(支払い条件込み)で見比べることが重要です。

比較軸地域で差が出る主な理由
買取単価需給・競争環境・事業者の調達方針が異なるため
契約条件エリア限定プラン、買電セット条件の有無が変わるため
手続き窓口体制、Web完結可否、開始までの期間が異なるため

新電力・企業の買取サービスは安心?契約時の注意点(保証・対応・実績)

新電力や企業の卒FIT買取サービスは、単価が魅力的に見えることがあります。
ただし、安心して契約するには「事業継続性」と「トラブル時の対応力」を確認することが欠かせません。
具体的には、運営会社の実績、問い合わせ窓口の有無、契約書面の分かりやすさ、支払い遅延時の取り扱いなどをチェックします。
また、買取単価が高い代わりに、買電契約とのセットが必須だったり、ポイント還元で実質単価を高く見せていたりするケースもあります。
さらに、契約期間の縛りが強いと、後からより良い条件が出ても乗り換えにくくなります。
卒FITは一度きりのイベントではなく、その後も毎年条件が変わり得るため、「柔軟に見直せる契約かどうか」も重要な判断材料です。

  • 運営会社の実績(電力事業の年数、利用者数)
  • 契約期間・解約金・単価改定のルール
  • 問い合わせ窓口(電話/メール/チャット)と対応時間
  • 支払い条件(振込時期、手数料、最低支払額)
  • 買電セット必須か、ポイント還元の実質単価か

卒FIT後に自家消費を最大化する方法:太陽光発電設備をムダなく使うコツ(自宅・住宅)

卒FIT後は、売電単価が下がるほど「自家消費の価値」が上がります。
自家消費を最大化するとは、発電した電気を捨てず(余らせず)、できるだけ家庭内で使い切ることです。
難しく聞こえますが、ポイントは大きく2つで、「使う時間を昼に寄せる」ことと、「設備を適切に維持する」ことです。
特に、共働きで日中不在が多い家庭でも、タイマー運転や給湯設定の見直しで改善できる余地があります。
また、太陽光は設置して終わりではなく、パワーコンディショナなど周辺機器の劣化で発電ロスが出ることもあります。
ここでは、生活の工夫(時間シフト)と設備面(エコキュート、パワコン)から、ムダなく使う具体策を紹介します。

日中(昼間)に電気を使う:家電の時間シフトとでんきの節約術

自家消費を増やす最も手軽な方法は、電気を使う時間帯を「発電している昼間」に寄せることです。
例えば、洗濯〜乾燥、食洗機、掃除機、炊飯の保温、除湿・空調などは、タイマーや予約機能で昼に動かしやすい家電です。
これにより、余剰として売る(安くなる)電気を減らし、買電(高くなりやすい)を抑えられます。
ただし、同時に家電を動かしすぎると、瞬間的な消費が増えて買電が発生することもあるため、分散運転がコツです。
また、発電量は天候で変動するので、晴れの日にまとめて動かす、雨の日は無理しない、といった運用ルールを作ると続けやすくなります。
HEMSや見える化アプリがある場合は、発電と消費の波形を見ながら調整すると効果が出やすいです。

  • 洗濯乾燥・食洗機は「昼に予約運転」へ
  • 空調は「帰宅後に急冷/急暖」より「昼に緩やかに」
  • 家電は同時運転を避け、時間をずらして分散
  • 天気予報に合わせて運用(晴れの日に集中的に)

エコキュート活用:余剰電力でお湯を沸かして消費を増やす(タイプ別)

オール電化住宅で多いエコキュートは、卒FIT後の自家消費と非常に相性が良い設備です。
従来は深夜電力で沸き上げる設定が一般的でしたが、太陽光がある家庭では、昼間の余剰電力で沸き上げるように設定を見直すことで、自家消費を増やせます。
機種によっては「昼間沸き上げ」「ソーラーチャージ」「太陽光連携」などのモードがあり、対応可否が異なります。
また、家族人数に対してタンク容量が大きすぎると沸き上げロスが増え、小さすぎると湯切れで追加沸き上げ(買電)が発生しやすくなります。
最適化のポイントは、生活に必要なお湯量を確保しつつ、昼間の発電時間帯に沸かす比率を上げることです。
設定変更だけで効果が出る場合もあるため、まずは取扱説明書や施工店に確認し、無理のない範囲で調整しましょう。

エコキュートのタイプ/機能自家消費を増やすコツ
昼間沸き上げモードあり晴れの日中心に昼へ寄せ、夜間の追加沸き上げを減らす
太陽光連携(ソーラーチャージ等)発電余剰に合わせて自動制御できるか設定を確認する
連携なし(標準機)沸き上げ時間帯の手動調整やタイマーで昼寄せを検討する

パワーコンディショナ(コンディショナ)の寿命・交換タイミングと施工のポイント

卒FITの時期と重なりやすいのが、パワーコンディショナ(パワコン)の交換タイミングです。
パワコンは太陽光パネルが作った直流電力を家庭で使える交流に変換する重要機器で、一般的に10〜15年程度で不具合や効率低下が起こりやすいと言われます。
パワコンが劣化すると、発電量が落ちたり、停止が増えたりして、売電・自家消費どちらにも悪影響が出ます。
卒FIT後は売電収入が減る分、発電ロスの影響が相対的に大きくなるため、点検・交換の判断が重要です。
交換時は、既存配線や設置場所の条件、メーカー保証、施工保証、停電時出力の有無などを確認しましょう。
また、蓄電池やV2Hを将来導入する可能性があるなら、連携しやすい構成(ハイブリッド型など)も含めて検討すると二度手間を減らせます。

卒FIT×蓄電池:導入すべき?メリット・デメリットと失敗しない検討手順(家庭用)

卒FIT後の有力な選択肢として注目されるのが家庭用蓄電池です。
売電単価が下がるほど「貯めて使う」価値が上がり、電気料金の上昇や災害時の停電リスクにも備えられます。
ただし、蓄電池は高額な設備投資であり、全員にとって必ず得になるわけではありません。
失敗しないためには、メリット・デメリットを整理したうえで、容量選定と補助金、見積条件(工事範囲・保証)を比較し、家庭の使い方に合うかを検証する必要があります。
特に「何のために入れるのか」を明確にすることが重要です。
電気代削減が目的なのか、停電対策が主目的なのかで、選ぶ機種や必要容量、優先すべき機能が変わります。
ここでは判断材料を体系的にまとめます。

蓄電池のメリット:自家消費率アップ/電気料金対策/停電時の安心(電源確保)

蓄電池の最大のメリットは、昼間の余剰電力を夜間に回せることです。
これにより自家消費率が上がり、電力会社から買う電気を減らせます。
卒FIT後は売電単価が低くなりやすいため、余剰を安く売るより、買電を減らすほうが家計メリットが出るケースがあります。
また、電気料金が上がった場合でも、太陽光+蓄電池で購入量を抑えられるため、値上げ耐性が高まります。
さらに、停電時に冷蔵庫・照明・スマホ充電・Wi-Fiなど最低限の電源を確保できるのは大きな安心材料です。
特に小さなお子様や高齢者がいる家庭、在宅医療機器がある家庭では、経済性だけでなくレジリエンス(災害対応力)としての価値も評価されます。
導入効果は「どれだけ夜に使うか」「停電時に何を動かしたいか」で変わるため、目的に沿ってメリットを具体化することが大切です。

蓄電池のデメリット:価格・初期費用・設置スペース・保証(コスト)

蓄電池のデメリットは、まず初期費用が大きい点です。
機器代に加えて、設置工事、電気工事、場合によっては分電盤改修や基礎工事が必要になり、総額が膨らみやすい傾向があります。
また、設置スペースの確保も課題です。
屋外設置が多いものの、搬入経路、騒音、直射日光や塩害への配慮など、住宅条件によっては機種が限られます。
さらに、蓄電池は消耗品であり、充放電を繰り返すことで容量が徐々に低下します。
保証年数・保証条件(容量保証の基準、自然災害の扱い、施工保証の範囲)を理解せずに契約すると、想定外の負担が出ることがあります。
経済性だけで判断する場合は、投資回収が長期化する可能性もあるため、見積もり時点で「何年で回収見込みか」「前提単価は何か」を明確にして比較することが重要です。

容量の選び方:発電設備(kW)・年間消費・夜間需要から最適化(システム設計)

蓄電池容量は、太陽光のkW(発電規模)だけで決めるのではなく、家庭の消費パターンから逆算するのが基本です。
ポイントは「夜間にどれだけ電気を使うか」「日中の余剰がどれだけ出ているか」です。
夜の使用量が少ない家庭に大容量を入れても、使い切れずにロスが出ます。
逆に、夜間需要が大きいのに容量が小さいと、結局買電が増えて効果が薄くなります。
また、全負荷型(家全体をバックアップ)か特定負荷型(必要回路のみ)かでも、停電時に使える範囲が変わり、必要容量の考え方が変わります。
さらに、パワコンの方式(単機能/ハイブリッド)や、将来EV・V2Hを入れる可能性も含めて、システム全体で最適化すると無駄が減ります。
理想は、HEMSや検針データで30分値の消費を確認し、夜間のピークと平均を把握したうえで容量を決めることです。

  • 夜間の使用量(夕方〜朝)を把握して「必要量」を決める
  • 日中の余剰量を見て「充電できる量」を確認する
  • 停電時に動かしたい負荷(冷蔵庫/照明/IH等)を整理する
  • 将来のEV・V2H導入予定があれば拡張性も考慮する

補助金・自治体制度の確認方法(対象条件・申請・時期)

蓄電池は補助金の有無で実質負担が大きく変わることがあります。
国の補助事業に加え、都道府県・市区町村が独自に補助を出しているケースもあり、併用可否や申請順(先着・抽選)など条件がさまざまです。
確認の基本は、自治体の公式サイトで「家庭用蓄電池 補助金」「太陽光 蓄電池 助成」などのページを探し、対象機器、申請期間、必要書類、工事着工前申請の要否をチェックすることです。
特に注意したいのが、契約・着工のタイミングです。
制度によっては「交付決定前に契約・着工すると対象外」になることがあり、順番を間違えると補助が受けられません。
また、対象機器が型番指定だったり、性能要件(容量、出力、保証年数など)が定められている場合もあります。
見積もりを取る際は、補助金申請のサポート範囲(代行可否、手数料、書類準備)も含めて確認すると安心です。

EV・V2(V2H)で余剰電力を充放電:電気自動車を家庭の蓄電として活用する

卒FIT後の余剰電力活用として、EV(電気自動車)を「走る蓄電池」として使う方法も注目されています。
V2H(Vehicle to Home)を導入すると、太陽光で発電した電気をEVに充電し、夜間や停電時に家へ給電できます。
家庭用蓄電池よりも大容量になりやすく、すでにEVを所有している家庭では選択肢として現実味があります。
一方で、対応車種・対応機器が限られること、機器と工事費がかかること、充放電による運用ルール(車を家に置く時間)が必要なことなど、注意点もあります。
また、V2Hは「自家消費の最大化」と「災害時の電源確保」を同時に狙えるのが強みです。
ここでは仕組み、停電時の使い方、導入時の注意点を整理します。

Home- Vehicle連携の仕組み:充電・給電・充放電で自家消費を伸ばす

V2Hは、家(Home)と車(Vehicle)の間で電気を双方向にやり取りする仕組みです。
太陽光の余剰が出た昼間にEVへ充電し、夜にEVから家へ給電することで、買電を減らし自家消費率を高められます。
家庭用蓄電池と似た役割ですが、EVは容量が大きい車種も多く、夜間の電力を広くカバーできる可能性があります。
ただし、毎日車で長距離を走る家庭では、夜に家へ給電しすぎると翌日の走行に影響が出るため、残量の下限設定が重要です。
また、太陽光の発電量は天候で変わるため、充電の優先順位(家の消費→EV充電→売電など)をどう組むかで効果が変わります。
機器によっては自動制御が可能なものもあるため、生活スタイルに合う制御方式を選ぶと運用が楽になります。

停電・災害時に強い:EVを非常用電源として使う方法

EV+V2Hの大きな価値は、停電時に家庭へ電力を供給できる点です。
冷蔵庫や照明、スマホ充電、通信機器などを動かせれば、災害時の生活の質が大きく変わります。
また、太陽光が日中に発電できる状況なら、昼に発電→EVへ充電→夜に給電という循環も期待でき、長期停電への備えとして有効です。
ただし、停電時に使える範囲は、V2H機器の仕様(全負荷/特定負荷)や住宅側の配線構成に左右されます。
「家中のコンセントが使える」と思っていたら一部回路だけだった、という誤解も起こりやすいので、事前にバックアップ範囲を確認しましょう。
さらに、非常時は車を移動させる可能性もあるため、給電を優先しすぎず、移動用の残量を確保する運用ルールを決めておくと安心です。

対応機器・工事・費用:V2導入の注意点(施工・保証・対応)

V2H導入では、まずEV側がV2Hに対応しているかが前提条件です。
対応車種でも、年式やグレードで可否が分かれる場合があるため、車両メーカーとV2H機器メーカー双方の対応表を確認します。
次に、設置工事では200V配線、分電盤周りの改修、設置場所(屋外機器の基礎、雨風対策)、場合によっては電力契約の見直しが必要になります。
費用は機器代+工事費でまとまった金額になりやすく、補助金の対象になることもあるため、自治体制度も併せて確認しましょう。
注意点として、施工品質が運用の安定性に直結するため、実績のある施工店を選ぶことが重要です。
また、機器保証と施工保証の範囲、故障時の駆け付け対応、ソフトウェア更新の扱いなど、長期運用の観点で契約内容を確認しておくとトラブルを減らせます。

卒FITのタイミングで見直すべき契約:電力会社・でんきプラン・料金の選択

卒FITは「売電の契約」だけでなく、「買電(電気を買う)契約」も見直す好機です。
なぜなら、売電単価が下がる一方で、家計への影響が大きいのは毎月支払う電気料金だからです。
太陽光がある家庭は、日中の買電が少なく、夜間に買電が寄りやすい傾向があります。
そのため、一般的な従量電灯よりも、時間帯別料金や夜間が割安なプランが合う場合があります。
また、売電先は大手電力だけでなく新電力も含めて選べるため、売電と買電を別々に最適化する発想が重要です。
さらに、FITの次の制度として話題になるFIP(市場連動型)も、将来的な選択肢として知っておくと判断の幅が広がります。
ここでは、卒FIT後の売電契約の流れ、買電プランの選び方、FIPの概要を整理します。

固定単価が終わった後の売電契約:買取条件・手間・申し込みの流れ(お客さま向け)

卒FIT後に売電を続けるには、卒FIT向けの買取契約へ切り替える必要があります。
多くの場合、満了前に電力会社から案内が届き、継続する場合でも「自動で切り替わるのか」「申込が必要か」は会社によって異なります。
申し込みが必要なケースでは、期限を過ぎると買取開始が遅れ、余剰電力の扱いが不利になる可能性があるため注意が必要です。
手続きでは、契約者情報、設備情報、検針情報、振込口座などを提出し、スマートメーターの設置状況によっては追加対応が発生することもあります。
また、売電先を変更する場合は、切替に要する期間や、旧契約の終了日と新契約の開始日の“空白”が出ないように調整するのがポイントです。
不明点がある場合は、電力会社の「卒FIT窓口」やFAQを活用し、書面で条件を確認してから進めると安心です。

買う電気(電気料金)も最適化:太陽光と相性の良いプラン選択(夜間/日中)

太陽光がある家庭は、日中は自家発電でまかない、足りない分だけ買電する形になりやすいです。
そのため、日中の単価が多少高くても、夜間が安いプランのほうが合う場合があります。
一方で、在宅ワークなどで日中の買電が増える家庭は、時間帯別よりもシンプルな従量制のほうが有利なこともあります。
また、蓄電池やEVを導入すると、夜間の買電をさらに減らせるため、プランの最適解が変わります。
重要なのは、プランの“見た目の単価”ではなく、実際の使用量配分(昼/夜)で試算することです。
検針票やWeb明細、30分値データが取れる場合はそれを使い、季節(夏冬)も含めて比較すると精度が上がります。
セット割やポイント還元は条件が複雑なことがあるため、適用条件と実質単価を必ず確認しましょう。

FIPとは?FIT終了後の制度の可能性と違いをやさしく解説

FIP(Feed-in Premium)は、再エネ電力を市場で売り、その市場価格に一定のプレミアム(補助)を上乗せする考え方の制度です。
FITが「固定単価で買い取る」のに対し、FIPは「市場価格に連動する」ため、価格変動の影響を受けやすい一方、市場に統合される仕組みと言えます。
現時点で家庭用の卒FITがそのままFIPに移行する、という単純な話ではありませんが、再エネの制度設計として“固定から市場連動へ”という流れを理解しておくと、今後の選択肢を考えるうえで役立ちます。
卒FIT後の売電は、基本的に各社の買取メニューに基づく相対取引が中心ですが、将来的に市場連動型の要素が強まる可能性もあります。
だからこそ、卒FIT後は「単価が固定で安心」という前提を捨て、毎年条件を見直せる柔軟な運用が重要になります。

制度価格の決まり方
FIT国が定めた固定単価で一定期間買い取り
FIP市場価格+プレミアム(上乗せ)で収入が変動

卒FITの収支を試算:シミュレーションで「売電 vs 自家消費 vs 蓄電池」を比較(無料調査の活用)

卒FIT後の最適解は、感覚ではなく数字で比較すると失敗しにくくなります。
なぜなら、同じ太陽光容量でも、発電量(地域・方角・影)、余剰比率(在宅状況)、買電単価(契約プラン)、卒FIT買取単価(売電先)で結果が大きく変わるからです。
例えば、売電単価が低い地域で、日中在宅が多い家庭は自家消費が有利になりやすい一方、日中不在で余剰が多い家庭は売電継続や蓄電池が候補になります。
また、蓄電池は補助金や見積条件で回収年数が変わるため、複数パターンで試算することが重要です。
最近は無料の簡易診断や現地調査を提供する事業者もあり、データが揃わない場合の入口として活用できます。
ここでは、試算に必要なデータ、ケース別の考え方、提案フロー例を紹介します。

必要データ:発電量・余剰・電気代・買取単価・機器価格を整理

シミュレーションの精度は、入力データの質で決まります。
最低限そろえたいのは、①年間(または月別)の発電量、②自家消費量と余剰量、③電気料金(買電単価と使用量)、④卒FIT後の買取単価、⑤蓄電池やV2Hの導入費用と保証条件です。
発電量はパワコンのモニターやアプリ、過去の記録で確認できます。
余剰量が分からない場合は、売電量(買取電力量)と買電量から推定する方法もあります。
電気料金は検針票やWeb明細で、基本料金・従量単価・燃料費調整・再エネ賦課金なども含めて把握すると現実に近づきます。
機器価格は見積もりで大きく変わるため、1社だけでなく複数社比較が望ましいです。
データが揃うほど、「売電継続」「自家消費強化」「蓄電池導入」の差が明確になり、納得感のある判断ができます。

ケース別シミュレーション:家庭のタイプ(在宅時間・消費量)で最適解が変わる

卒FIT後の選択は、家庭のタイプで傾向が分かれます。
日中在宅が多い家庭は、家電の時間シフトやエコキュート設定で自家消費を伸ばしやすく、蓄電池なしでも効果が出ることがあります。
一方、共働きで日中不在が多い家庭は余剰が増えやすく、売電継続の比重が高くなるか、蓄電池・EVで夜に回す価値が出やすいです。
また、電気使用量が多い家庭(大家族、オール電化、空調負荷が大きい等)は、買電削減のインパクトが大きく、蓄電池の効果が出やすい場合があります。
逆に使用量が少ない家庭は、蓄電池を入れても使い切れず、回収が難しいことがあります。
このように、同じ設備でも“使い方”で結果が変わるため、複数ケース(現状、時間シフト後、蓄電池導入後)で比較するのが有効です。

家庭タイプ有力になりやすい方針
日中在宅が多い自家消費強化(時間シフト、エコキュート昼沸き)
日中不在が多い売電継続+必要に応じて蓄電池/EVで夜へ回す
電気使用量が多い蓄電池で買電削減効果が出やすい(要試算)
使用量が少ないまずは契約見直し・時間シフト中心(投資は慎重に)

当社の提案フロー例:無料調査→診断→最適プラン提示(実績トップクラスを目指す)

卒FIT対策をスムーズに進めるには、現状把握→選択肢の比較→実行の順で進めるのが合理的です。
一般的な提案フロー例としては、まず無料のヒアリングや簡易診断で、発電量・売電量・電気料金・生活パターンを確認します。
次に、売電継続(買取先比較)と自家消費強化(運用改善)、蓄電池やV2H導入の複数案を同じ前提で試算し、回収年数や停電時のメリットも含めて整理します。
そのうえで、優先順位(電気代削減、災害対策、初期費用を抑える等)に合わせて最適プランを提示し、必要なら現地調査で配線・設置スペース・分電盤を確認して見積精度を上げます。
重要なのは、特定の機器を売ることが目的ではなく、家庭ごとの最適解を数字で示すことです。
提案を受ける側も、前提条件(単価、補助金、保証)を明確にしてもらい、比較可能な形で判断するのが納得への近道です。

よくある質問(FAQ):卒FIT後の不安を解消(安心して継続運用するために)

卒FITは「制度が終わる」という言葉の印象から、不安が先に立ちやすいテーマです。
しかし実際には、売電が突然できなくなるわけではなく、選択肢を理解して準備すれば、太陽光をこれまで以上に有効活用できる可能性があります。
ここでは、卒FIT後によくある疑問をQ&A形式で整理します。
特に多いのは「売電はいつまでできるのか」「設備のメンテナンスは必要か」「切替手続きで失敗しないための注意点」です。
卒FIT後は、売電先や電気料金プランが多様化する分、情報の見落としが損につながることがあります。
不安を減らすには、期限・保証・手続きの3点を押さえ、分からない点は電力会社や施工店に早めに確認することが大切です。

卒FIT後、売電はいつまでできる?終了・継続の条件は?

卒FIT後も、余剰電力の売電は基本的に継続できます。
ただし、FITのように国が固定単価を保証する仕組みではなくなるため、買取条件は契約先の事業者が提示する内容に従います。
「いつまでできるか」は一律の期限があるというより、契約を結べる限り続けられるイメージです。
一方で、買取単価は改定される可能性があり、契約期間の縛りがある場合は途中変更が難しいこともあります。
また、手続きが遅れて契約が切り替わらない期間があると、買取開始が後ろ倒しになるリスクもあるため、満了前の案内を確認し、期限内に申し込みを済ませることが重要です。
売電を続けるか迷う場合でも、いったん売電契約を確保しつつ、自家消費や蓄電池を後から検討する進め方も可能です。

太陽光発電設備のメンテナンスは必要?故障時の対応と保証

太陽光発電は比較的メンテナンス負担が少ない設備ですが、長期運用では点検・部品交換が必要になることがあります。
特にパワーコンディショナは経年劣化しやすく、卒FITの時期(設置10年前後)と重なることが多いです。
発電量が急に落ちた、エラー表示が出る、売電量が不自然に減った、といった場合は早めに点検を依頼しましょう。
保証については、機器保証(メーカー)と施工保証(工事会社)が別になっていることが多く、どこに連絡すべきかを事前に整理しておくと安心です。
また、自然災害(台風、落雷、浸水)による故障は火災保険の対象になる場合もあるため、保険内容も確認しておくと良いでしょう。
卒FIT後も太陽光を主力電源として活かすなら、「発電を落とさない」ことが収支に直結します。

切り替えの注意点:契約・申請・工事で失敗しないチェックリスト

卒FITの切り替えで多い失敗は、「期限を過ぎて手続きが遅れる」「条件を読まずに縛りの強い契約を結ぶ」「補助金の申請順を間違える」の3つです。
特に補助金は、交付決定前の契約・着工で対象外になることがあるため、導入を決める前に制度要件を確認しましょう。
また、売電先の切替では、買取開始日、検針の締め日、必要書類の不備が遅延要因になります。
工事を伴う場合(蓄電池、V2H、パワコン交換)は、分電盤周りの改修有無、停電作業の時間、保証範囲、アフター対応を確認しておくとトラブルを減らせます。
最後に、売電と買電を別々に最適化する場合は、契約の組み合わせで不利が出ないか(セット割の喪失など)もチェックが必要です。
以下のチェックリストを使い、抜け漏れなく進めましょう。

  • 買取期間満了日(卒FIT日)と申込期限を確認した
  • 買取単価だけでなく、支払い頻度・手数料・縛りを確認した
  • 売電先変更時の開始日/空白期間リスクを確認した
  • 買電プランも含めて年間で試算した
  • 蓄電池/V2Hは補助金の「申請→交付決定→契約/着工」の順を守る
  • 機器保証・施工保証・アフター窓口を確認した

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